マウスピース矯正「インビザライン」について詳しく解説
昨今、急速に広がりを見せているマウスピース矯正。
世界そして日本においてマウスピース矯正では圧倒的シェアを誇る「インビザライン」について、国内では20名の歯科医師のみが認定されている講師インビザライン・ファカルティの竹内敬輔が解説いたします。
マウスピース矯正「インビザライン」とは
インビザライン矯正は透明に近いマウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)を装着して段階的に歯並びを綺麗にする治療方法です。
インビザライン矯正の基本的な特徴
全世界の患者様を素敵な笑顔を導くために、1997年から独自技術の研究と改良を続けております。
世界96か国、それぞれの地域に所属しているファカルティ(米アラインテクノロジー社認定)のもとでインビザライン矯正のために必要なトレーニングを受け、ライセンスを取得した歯科医師のもとで矯正治療を受けることができます。
世界で1400万人が使用する実績
基本的に年齢の制限はありません。子どもから大人までご使用いただけます。
これまでに世界で1400万人を超える患者様がインビザライン矯正によって素敵な笑顔を手に入れています。
(2022年9月時点における「インビザライン・システム」および「インビザライン Goシステム」の合計)
インビザライン矯正 × テクノロジー
治療開始前に歯の動きをシミュレーションし、治療のゴールをイメージすることができます。
アラインテクノロジー社は1400万人以上の患者データに基づき、マウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)の素材や歯を動かす仕組みを改良し続けています。
※担当する歯科医師によって治療のゴールは様々であり、また必ずしもシミュレーションされた治療ゴールに到達するとは限りません。
お口の中のトラブルを起こしにくい
持続的にゆるやかな力をかけ、短期間で次のステージのマウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)に交換するので従来型のマルチブラケット矯正と比較すると痛みが少ないことが特徴の一つです。
また、マウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)は患者様の歯にフィットするようにカスタムメイドされます。
歯と歯茎が接する部分もトリミングされていて、より快適に過ごせるようにデザインされています。
※治療途中にブラケットやワイヤーが外れたりといった緊急トラブルはほぼありません。
変わらない日常生活
マウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)は食事など、必要な時には取り外すことができるので、装置に食べ物が詰まる心配が無く、治療中も普段通りに食事ができます。
通院は1~2か月に1回程度。定期的に担当の歯科医師に治療の進行具合を確認する必要がございます。
※通院の頻度は歯科医院によって異なります。定期的な通院が行われない場合には重篤な弊害を引き起こす可能性があります。
インビザライン矯正とマルチブラケット矯正の違い
マルチブラケット矯正
従来型の歯列矯正治療で最も一般的なのはマルチブラケット・システムによる治療方法です。このマルチブラケット・システムを用いた歯列矯正治療では1本1本の歯牙にブラケットと呼ばれる装置を接着し、このブラケットのスロット内にワイヤーを通して結紮します。これにより1本1本の歯牙がワイヤーに沿って排列されていくという仕組みです。
インビザライン矯正
インビザライン矯正では、インビザラインアライナー(マウスピース型矯正装置)を装着することによって、その形状通りに1本1本の歯牙が排列されていきます。ブラケット装置は用いず、その代わりに適性な歯牙移動を行うためにアタッチメントと呼ばれるものを特定の歯に接着する必要があります。
目立たない
マウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)は透明に近くで目立たないため、装着していることがほとんどわからず、見た目のストレスを感じさせません。
取り外しが出来て衛生的
マウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)はいつでも取り外しが可能なので、歯磨きやフロスなど普段通りのお手入れができ、口腔内を健康な状態に保つことが出来ます。
金属による悩みも解消
金属製のワイヤーやブラケットを使用しないマウスピース型矯正装置なら金属アレルギーの心配はありません。
「インビザライン」と他のマウスピース矯正との比較
昨今、マウスピース型矯正装置を用いた矯正歯科治療、いわゆるアライナー矯正(アライナー型矯正装置を用いた矯正治療)を行う歯科医院や業者が乱立しており、公益社団法人 日本矯正歯科学会ではこのようなアライナー矯正に対する患者様からの問い合わせが多発しているようです。
日本におけるマウスピース矯正の種類について
今回はマウスピース矯正をご検討中の患者様に少しでも参考になればと、様々なマウスピース矯正の製品について調査してみました。(2023年11月現在)
公式ホームぺージを持たないマウスピース矯正の製品も・・・
公式ホームぺージを持たないマウスピース矯正の製品はそれだけ取り扱う矯正歯科が少ないと言えます。
選択した製品によるマウスピース矯正が、思ったように進まなかった場合、転医(転院)を検討する必要も考えられます。
また、製品自体に問題があった場合にも責任の所在が明らかではありません。
さらに、ごく僅かな特定の矯正歯科でしか扱っていないマウスピース矯正製品の場合には転医(転院)が困難です。
あるいは、治療中に矯正担当医に万が一のことがあった場合にもやはり引き継いでくれる矯正歯科を探すのも困難です。
マウスピース矯正「インビザライン」の使用方法と注意点
マウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)の使用方法
マウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)は正しく使用すれば効果的な装置ですが、使用方法を間違えば効果が得られないばかりかトラブルを引き起こしてしまう場合もあります。担当医師の指示に従い正しく使用しましょう。
装着時に必ずアライナーチューイを使用してください
計画通りに歯牙を動かす為には、マウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)がしっかりと1本1本の歯牙、あるいは歯牙に設置されたアタッチメントにフィットさせなければなりません。
治療に必須のツールです。
装着するたびに必ずすべての歯牙およびアタッチメントにマウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)が適合するよう十分に咬みこみをおこなってください。
マウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)の装着時間
21時間以上の装着を必ず守ってください
従来型のマルチブラケット矯正では歯に直接的にブラケットが設置され、ワイヤーが装着されるため24時間ずっと矯正力が持続的に働き効果的に歯牙移動が行われる仕組みの装置でした。
一方でマウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)はでは食事中にマウスピースを外せることが大きなメリットとなる一方で、装置を外している時間では矯正力によって移動された歯牙が元の位置に戻ろうとする現象が起こります。
外している時間が長くなるほど元の位置に戻る量が増えるため、結果的に予定していた歯牙移動が行われないということになってしまいます。
装着時間が不足すると。。。
予定通りに歯牙移動が行われないということは、矯正治療の効果が得られないばかりか、正しく歯牙やアタッチメントに適合していないマウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)を長時間装着することによって歯牙自体に過剰な負荷がかかり圧下や歯肉退縮といったトラブルを引き起こすことも考えられます。
食事や歯磨き時のマウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)の取り扱い
インビザライン矯正では、マウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)は食事など、必要な時には取り外すことができるので、装置に食べ物が詰まる心配が無く、治療中も普段通りに食事ができます。
マウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)を外したら、専用のケースに入れて保管をしてください。
マウスピース型矯正装置(インビザラインアライナー)は必ず所定の洗浄剤にて定期的に洗浄してください。
インビザライン矯正治療のプロセス
矯正治療を専門に行う医院とそれ以外の歯科医院によって内容は異なる場合があります。詳しくは歯科医院にご相談ください。
治療の5ステップ
STEP1 カウンセリングを予約する
歯科医院でのカウンセリング時には、独自のシミュレーションツールを用いてご自身の歯並びの変化を見ることも可能。 気になることは治療開始前に歯科医師に相談しておきましょう。
STEP2 精密検査を受ける
治療を希望される場合は、精密検査に進みます。口腔内検査のほかにレントゲン撮影、顔や口の中の写真撮影を行ないます。また、矯正装置を作るために歯の型どりをします。
STEP3 治療を開始する
歯科医院で最初のマウスピースを受け取る際は、マウスピースを装着し、歯にフィットしているか確認します。また、着脱方法やお手入れ方法、注意事項などの説明を受けます。
STEP4 定期診察を受ける
指定された装着時間を守りながら、治療の段階に合わせて新しいマウスピースにつけ替えていきます。定期的に通院して、新しいマウスピースのセットを受け取りましょう。
STEP5 保定する
歯並びが整ったら、一定期間は保定装置を装着して元の歯並びに後戻りするのを防ぎます。
インビザライン治療におけるアタッチメントとは
インビザライン矯正治療において、1本1本の歯牙移動に適切なフォースシステムを作用させるため、コンポジットレジンにて歯牙に3次元的な形状を付与する必要があります。これをアタッチメントと呼びます。
このアタッチメントはインビザラインアライナーと歯牙の相互作用を強化するためのもので、治療前にクリンチェック治療計画上でもご覧いただくことができます。
監修者
医療法⼈きらめき 理事⻑
アラインクチュールデンタルオフィス名古屋栄院 院⻑
インビザライン社ファルカルティ* ※公式認定講師
インビザラインダイアンモンドプロバイダ ※6年連続
インビザラインファースト部門世界シェア第1位 ※2019年
所属学会:日本矯正歯科学会/日本成人矯正歯科学会/日本小児歯科学会
⽵内 敬輔 Keisuke Takeuchi
愛知学院大学歯学部卒業後、北海道の矯正歯科にて研修を積み、2004年に愛知県にて子供向けの矯正歯科/小児歯科を開業。2014年にインビザライン・システムのライセンスを取得し、2015年に名古屋市では初となるマウスピース専門の矯正歯科であるアラインクチュールデンタルオフィスをオープン。また、2019年には銀座院もオープンした。20年の歯列矯正治療の経験を持ち、インビザライン・システム1,900症例を含む4,900症例(2022年5月現在)を手がけており、2019年には子供向けのインビザライン・ファースト部門で16万人を超えるドクターの中で世界シェア第1位を獲得している。その経験の豊富さから日本だけでなく海外の歯科医師たちに対し歯列矯正治療及びインビザライン・システムの教育や講演を多数行なっており、2021年よりインビザライン社のファカルティを務めている。 *インビザライン社カファルティとは インビザライン矯正に携わる歯科医師に対し、歯列矯正治療およびインビザライン・システムについての教育・指導を⾏うポジション (2022年3⽉現在国内22名)
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