症例No.60 出っ歯が気になる インビザラインによる非抜歯矯正
矯正歯科アラインクチュール 名古屋栄院院長、インビザラインファカルティの竹内敬輔です。今回は出っ歯が気になるという患者さんで「抜歯をして治すべきか」それとも「抜歯はしないべきか」ということでお悩みの患者さんの症例で、診断の結果、抜歯はしないでインビザライン治療のみで進めた患者様になります。
初診診察
はじめての診察の際には、患者さまがどのようなお悩みを抱えているか、どうなりたいかということを詳しく聴き取りさせていただきます。さまざまな検査及び診察を行い、簡易的な診断を行い、大まかな治療内容や期間、おおよその費用についてご説明させていただきます。
患者様の情報
性別:女性
年齢:30代
問診1 お口の中やお顔のことで気にされていることを教えてください
・出っ歯
・かみ合わせが良くないと言われた
問診2 歯列矯正治療を始める前に先生に聴いておきたいことはありますか?
・抜歯の必要性
・インビザラインだけでで治るのか
STEP2 コンサルテーション(歯列矯正治療の計画、期間、費用のご説明)
コンサルテーションでは、120分程度のお時間をいただき分析・診断およびオーダーメイド治療計画についてのご説明を行います。また、歯列矯正にかかる治療期間及び費用についてご説明を行います。
歯列矯正治療前の分析・診断
検査時のレントゲン写真、お口の中の写真、お顔の写真をもとに分析・診断を行い、歯列矯正治療の計画を作成していきます。


オーダーメイド治療計画の作成(診断と治療計画及び治療期間)
分析・診断結果に基づき、歯列矯正治療の計画を作成していきます。お一人おひとり骨格は異なり、歯並びやかみ合わせも千差万別です。このため、治療計画も当然のことながら一様ではありません。歯列矯正治療前の分析・診断を誤れば望ましくない結果を生み出してしまいます。
大臼歯の咬合関係、犬歯の咬合関係、上顎と下顎のオーバージェット及びオーバーバイト、上顎及び下顎の顎正中線などを考慮し、この患者さまの場合には小臼歯を抜歯しての最終ゴールのイメージをつくります。
STEP3 治療開始
矯正歯科アラインクチュールでのインビザライン治療は、1st Phaseから4th Phaseまでの4つで構成されています。
1st Phase イニシャルアライナー
今回のケースでは47ステージのインビザライン・アライナー(透明マウスピース型矯正装置)を装着することで1本1本の歯を最終位置に配置することが出来るという予定です。1個のインビザラインアライナー(透明マウスピース型矯正装置)を1週間間程度装着していただきますのでイニシャルアライナー治療期間はおおよそ7カ月です。
2nd Phase アディショナル(追加)アライナー
イニシャルアライナーでの治療が完了したところで、再度ドクターとカウンセリングを行い、新たなご要望をお聞きするとともに、イニシャルアライナーで改善しきれなかった箇所やかみ合わせの治療を行うためアディショナルアライナー(追加アライナー)を作成いたいます。矯正歯科アラインクチュールでは、患者さまにより満足いただくためアディショナルアライナーはコンプリヘンシブプランで2回まで、コンプリヘンシブプラスでは3回までが治療費に含んでおります。アディショナルアライナーの平均期間はコンプリヘンシブプランで6か月程度、コンプリヘンシブプラスで12か月程度となります。
3rd Phase リファインメントアライナー
イニシャルアライナーおよびアディショナルアライナーがすべて完了したところで、3rd Phaseでは後戻り予防及び最終仕上げの目的でリファインメントアライナーを作成いたします。通常、このリファインメントアライナーは6ステージ程度で、1日の装着時間は12時間~14時間となります。
4th Phase 保定治療・メンテナンス
保定とは、歯列矯正治療によって位置異常の歯を移動させた後、すべてのその周囲組織が新しい条件に適応するように構造的及び機能的変化が終了するまで目的とする位置に歯、あるいは顎を保持しておくことを言います。
保定は矯正治療のうちの最も大切な最終処置で、動的治療を第一の治療(primary treatment)というのに対して、第二の治療(secondary treatment)と言われています。
矯正歯科アラインクチュールでは、この保定期間を3年と定め、3年間分の保定装置をご準備しております。
STEP4 インビザライン矯正治療を終えて・・・
治療症例
歯列矯正治療にかかった期間、来院回数
■使用装置:インビザライン・アライナー(透明マウスピース型矯正装置)
■動的治療期間:2年0カ月
■保定治療期間:3年
■来院回数:15回 ※初診診察、コンサルテーションを含む
STEP5 歯列矯正治療にかかった費用と期間
歯列矯正治療は5つの費用に分かれております。
①初診診察費用
②オーダーメイド治療計画作成費用(診断費用)
③インビザライン矯正治療費用
④保定治療
⑤定期的な診察費用
初診診察費用
矯正歯科アラインクチュール名古屋栄院では、患者さまにとってより詳しく正確な情報をお伝えするために初診診察が非常に重要と考えております。このため、充分なお時間をお取りしてさまざまな検査および、診査を行い、結果についてはドクターから詳しくご説明しております。
■費用:5,500円(税込)
■時間:検査および、ご説明に2時間程度いただいております。
②オーダーメイド治療計画作成費用(診断費用)
検査の際のレントゲン写真、お口の中の写真、お顔の写真をもとに分析・診断を行った結果についてご説明させていただきます。そして、最終的に自分の歯並びやかみ合わせがどうなるのかを歯列矯正治療を開始する前に動画にてご覧いただきます。
■費用:49,500円(税込)
■時間:コンサルテーションにて2時間程度ご説明させていただきます。
③インビザライン矯正治療費用
今回のケースではオーダーメイド治療計画にて47個のインビザライン・アライナー(透明マウスピース型矯正装置)が必要という結果となりましたので【コンプリヘンシブ ¥1,188,440-】にてご契約させて頂きました。
※上記には矯正用アンカースクリューの費用が含まれております
④保定治療
保定治療はビベラリテーナー3セットが費用に含まれております。
※保定治療の費用が含まれていない歯科医院もありますのでご注意ください。
⑤定期的な診察費用
アラインクチュールデンタルオフィスでは2か月に一度の診察をお願いしております。この診察では計画通りに歯列矯正治療が進んでいるかどうか、お口の中やお顔、機能に問題が生じていないかについての診察を行います。
■費用:5,500円(税込)
■時間:1時間程度
監修医より一言
今回ご紹介した症例は2018年ごろに初診診察に来られた出っ歯が気になるという主訴でご来院された患者様です。上顎小臼歯を抜歯することで突出した前歯を後退させるというカムフラージュ治療ではなく、上顎歯列全体を後方に下げ大臼歯の咬合関係をも改善するという治療をインビザラインと矯正用アンカースクリューを用いて行いました。出っ歯も改善し、良好な見た目とともに自然な口唇閉鎖が可能になりました
しかし、このようにシンプルに、的確に治療ゴールにたどりつけるようになったのはまだまだ最近のような気がしています。
マルチブラケット装置時代の治療スタイル
2014年からマウスピース矯正(インビザライン)での矯正治療に携わるようになり、2026年2月現在までで3,600名の患者様の矯正治療を行ってきました。2004年の開業以来、10年間はマルチブラケット矯正をメインとした矯正治療に取り組んで来ましたが、なかなか自分自身の中でも納得のいく矯正治療を行うのは難しいものでした。
その中でも上下顎の顎間関係の前後的なずれがあり大臼歯関係が2級咬合になっているケースのほとんどは上顎小臼歯の抜歯を行い、大臼歯は2級咬合のままで前歯の前突感を解消するというカムフラージュ治療しか行えていませんでした。
なぜ、抜歯するしかないのか?と思われる患者さんのために簡単に説明しますと、従来型のマルチブラケット装置では上顎の大臼歯を遠心(後方)に移動することが技術的に難しかったためです。
上顎歯列を遠心移動するという新たな治療への取り組み
20213年ごろは、とにかくもっと矯正治療を勉強したいという思いで、年間30回以上の勉強会やセミナーに参加していた時期でした。そして、上顎の犬歯から大臼歯を遠心移動することに特化したカリエールディスタライザーという装置との出会いにより、マルチブラケット矯正時代の後半は上顎小臼歯抜歯による治療も少しずつ減少していました。
インビザラインとの出会い
そして、いよいよインビザラインと出会ったことで、大臼歯の2級咬合を伴う症例では、上顎カリエールディスタライザー+マルチブラケット装置から徐々インビザラインに移行していきました。さらに、矯正用アンカースクリューの導入により、その治療はさらに確実なものになってきたと感じており、現在は著しい2級咬合をの除いてはほぼインビザライン+矯正用アンカースクリューにて治療ゴールまで到達できています。
矯正治療を検討中の患者様へ
患者様にとっては高額で、人生のうちに何度も行うわけではないのが矯正治療であり、失敗したくないと思うのは当たり前です。しかし、残念ながらマウスピース矯正(インビザライン)で抜歯矯正を行うのは簡単ではなく、治療途中で相談に来られる方は年々増えております。SNS等では「結局はマウスピース矯正のみではちゃんと治らない」という実体験を語っている人も多く「ワイヤー矯正の方が安全」だとのコメントも多々見かけます。
実際にはどうなのでしょう?
僕自身はこう思います。
すべてはクリニック選びに尽きると。
監修者
医療法⼈きらめき 理事⻑
アラインクチュールデンタルオフィス名古屋 院⻑
インビザライン社ファルカルティ* ※公認指導医
インビザラインダイアンモンドプロバイダー ※8年連続
インビザラインファースト部門世界シェア第1位 ※2019年
⽵内 敬輔 Keisuke Takeuchi
愛知学院大学歯学部卒業後、北海道の矯正歯科にて研修を積み、2004年に愛知県にて子供向けの矯正歯科/小児歯科を開業。2014年に世界で最も代表的な透明マウスピース型矯正治療であるインビザライン・システムのライセンスを取得し、2015年に名古屋市では初となるインビザライン矯正治療を専門とする矯正歯科アラインクチュール名古屋栄院をオープン。また、2019年には矯正歯科アラインクチュール東京銀座院にも同様の矯正歯科をオープンした。
マルチブラケット・システム矯正治療をはじめとする20年以上の歯列矯正治療の経験を持ち、インビザライン矯正治療3,600症例を含む6,600症例(2026年2月現在)を手がけ、2019年には子供向けのインビザライン・ファースト部門で16万人をこえるドクターの中で世界シェア第1位を獲得している。その経験の豊富さから日本だけでなく海外の歯科医師たちに対しても歯列矯正治療および、インビザライン・システムの教育や講演を行い、2021年よりインビザライン社のファカルティを務めている。 *インビザライン社のファカルティとは 透明マウスピース型矯正治療(インビザライン矯正治療)を⾏う歯科医師に対して指導を⾏う国内25名のみの公認指導医
