矯正治療を始める前に必ずお読みください。
マウスピース矯正「インビザライン」による矯正専門クリニックを名古屋に開業したのが2015年。
そこから10年が経過しようとしています。
元々、専門としていたマルチブラケット・システムからインビザライン・システムへの移り変わって10年、矯正治療の現場で患者様と向き合いつつ、同時にインビザラインの公認講師として、このシステムに様々な角度から向き合ってきました。
爆発的なマウスピース矯正の普及
特にここ数年、これまで矯正歯科に携わっていなかった歯科医師がこぞってマウスピース矯正を診療メニューに加えるようになっており、インビザラインだけではなく様々なマウスピースが爆発的に普及してきております。
マウスピース矯正は、比較的手軽なイメージとは裏腹に、歯科医師にとっては非常に難易度の高い矯正システムであり、矯正治療における知識と経験が乏しいと瞬時に好ましくない結果となって表れてきます。
マウスピース矯正への期待
患者様はインビザラインに対してどのようなことを期待しているでしょうか?
◎治療期間中に目立たない
◎取り外しが出来て衛生的
◎ワイヤー矯正より痛みが少ない
実際に従来型のマルチブラケット・システムと比較すると数多くのメリットがあります。
しかし、忘れてはいけないことがあります。
「本当にきちんとした歯並びやかみ合わせに治るのか?」ということです。
マウスピース矯正で本当に治るのか?
マウスピース矯正「インビザライン」がここまで爆発的に普及してきた要因は、多くの歯科医師が「歯型を採得してメーカーにオーダーすればマウスピースがつくられてくる」という認識を持っている、つまり歯科医師免許さえあれば誰でも簡単に矯正治療を行えるという認識を持ってしまったからに他なりません。そして、こ導入する一般の⻭科医院がどんどん増えていきました。
治療が失敗に終わらないために
インビザライン・システムを提供するインビザラインジャパンはこの事態を重く捉え、システムの開発もさることながら、これを取り扱う歯科医師の教育に莫大な費用と時間を費やしました。
とくに現社長の松本氏の手腕により「ファカルティ」という歯科医師の先生という仕組みをつくりあげ、システムの正しい使い方や矯正治療の教育が手厚く施され、現在ではインビザラインにおける最低限の治療精度は担保されるにいたりました。
※2024年現在、日本では25名のファカルティが認定されており。2021年から竹内敬輔もインビザライン社のファカルティを務めております。
責任が持てる範囲の症例選択
マウスピース矯正に限らずワイヤー矯正でも同じことが言えますが、矯正治療というのは症状の分析と診断をもとに治療計画を立てることから始まります。
ところが立てた治療計画通りにスムーズにゴールできることの方が圧倒的に少なく、治療の過程で様々な【問題】に直面することになります。
・⻭が予定通り移動しない
・歯がグラグラになってくる
・歯肉が退縮する
・顎関節症が発症する
・フェネストレーションが起こる
・歯が変色してくる
・犬歯がかみ合わない
・奥歯が噛み合わない
・正中線が合わない
さらに小臼歯の抜歯を伴う矯正では
・抜歯した空隙が閉じない
・歯根が整直しない
・全体的に噛み合わせが合わない
これにより治療期間がどんどん延びてしまったり、計画と通りに治らないといった状況に陥ります。
これら【問題】には、すべて原因が予兆が存在します。治療計画を立てる際にどこに注意するべきかは矯正専門の知識と経験が乏しいと見落としてしまうことも多く、また数週間~数か月ごとの定期的な診察実の際にも【問題】が見落とされてしまうことも多々あるでしょう。やがたそれが大きな【問題】に発展したときには対処に困ってしまうという結果となり、われわれのような専門クリニックへと転医(転院)されてくる結果となります。
重要なことはそれぞれの歯科医師が『責任が持てる範囲』で矯正治療を行うことだと考えます。
セカンドオピニオンを推奨します
患者さま自身がご自分のお口の中の症状について正しく理解することは困難です。
かかりつけ医の先生から矯正治療を勧められた際には、あるいははじめて矯正相談やカウンセリングを受ける際には、
・相談が無料だから
・治療期間が短いから
・キャンペーンだから
・治療費用が安いから
・近所だから
このような理由で『契約』をせず、一旦は持ち帰りましょう。
そして、最低でも1件、できれば2件程度のセカンドオピニオンを受けましょう。
そのうえで比較検討した後で『契約』することを強く推奨いたします。
監修者
医療法⼈きらめき 理事⻑
アラインクチュールデンタルオフィス名古屋栄院 院⻑
インビザライン社ファルカルティ* ※公式認定講師
インビザラインダイアンモンドプロバイダ ※8年連続
インビザラインファースト部門世界シェア第1位 ※2019年
所属学会:日本矯正歯科学会/日本成人矯正歯科学会/日本小児歯科学会
⽵内 敬輔 Keisuke Takeuchi
愛知学院大学歯学部卒業後、北海道の矯正歯科にて研修を積み、2004年に愛知県にて子供向けの矯正歯科/小児歯科を開業。2014年にインビザライン・システムのライセンスを取得し、2015年に名古屋市では初となるマウスピース専門の矯正歯科であるアラインクチュールデンタルオフィスをオープン。また、2019年には銀座院もオープンした。20年の歯列矯正治療の経験を持ち、インビザライン・システム1,900症例を含む5,300症例(2024年6月現在)を手がけており、2019年には子供向けのインビザライン・ファースト部門で16万人を超えるドクターの中で世界シェア第1位を獲得している。その経験の豊富さから日本だけでなく海外の歯科医師たちに対し歯列矯正治療及びインビザライン・システムの教育や講演を多数行なっており、2021年よりインビザライン社のファカルティを務めている。 *インビザライン社カファルティとは インビザライン矯正に携わる歯科医師に対し、歯列矯正治療およびインビザライン・システムについての教育・指導を⾏うポジション (2024年3⽉現在国内25名)
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